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日本におけるリサイクル事情:進む資源循環と残された課題

はじめに

日本は「資源の乏しい国」であるため、古くからリサイクル技術が発展してきました。家電・自動車・金属・紙など多岐にわたる分野でリサイクルが進み、世界でもトップクラスの回収率を誇ります。
しかし、電子機器の急増や人手不足により、新たな課題も見えてきています。
本記事では、日本のリサイクル事情をわかりやすく整理し、今後の展望について触れます。


日本のリサイクルを支える3つの柱

① 法制度による「分別回収の徹底」

日本では、多くのリサイクルが法律で“義務化”されています。

  • 家電リサイクル法

  • 自動車リサイクル法

  • 小型家電リサイクル法

  • 容器包装リサイクル法

これらの制度により、家電のリサイクル率は80〜90%と高水準。
特にエアコン・冷蔵庫・洗濯機・テレビは、分解して鉄・銅・アルミ・基板を回収する仕組みが全国に整っています。


② 技術力の高い「都市鉱山」

日本の電子機器から回収される金・パラジウム・銅などは、世界でもトップクラスの抽出技術で再資源化されています。

  • 日本の都市鉱山の金含有量は世界トップクラス

  • パラジウム・銅なども高精度で回収可能

  • 世界でも屈指の精錬技術(大手精錬会社)

キバセンのような基板買取業者は、この「都市鉱山」サイクルを支える重要な入口です。


③ 市民レベルでの「分別意識の高さ」

日本では分別が細かく、自治体ごとにルールが存在するため、市民の協力が不可欠です。
その結果、

  • PETボトル

  • 紙類

  • 金属

  • 小型家電

などの回収率は、世界でも非常に高い水準にあります。


一方で、日本のリサイクルが抱える課題

課題1:電子廃棄物(e-waste)の増加

スマホ・PC・サーバー・基地局などの廃棄が急増。
中には不正な回収業者が海外へ不適切輸出する例もあり、社会問題に。

課題2:人手不足と高齢化

手作業による分解工程(基板取り外しなど)は技能が必要であり、人材不足が深刻に。

課題3:資源価格の変動

金・パラジウムなどの価格は変動が激しく、リサイクル業者の経営にも影響。

課題4:企業の「データ消去・セキュリティ」問題

IT機器の廃棄における情報漏洩事故が後を絶たず、オンサイト破壊物理消去が求められる時代に。


🔍 今後の展望:日本のリサイクルはどう進化する?

1. AI・機械選別の導入

  • AIカメラで基板グレード自動判定

  • ロボットアームの分解

  • 自動選別ラインの普及

人手不足の解消と高品質化が期待されます。

2. 企業のデジタル廃棄が増加

DX 推進により、PC・サーバーが大量に入れ替わる時代。
電子機器リサイクルの需要は今後さらに増加します。

3. 基板・レアメタルの価値上昇

金・パラジウムなどの価格上昇により、基板リサイクルはより重要産業に。


✍️ まとめ

  • 日本は世界でもトップクラスのリサイクル技術を持つ

  • 法制度・技術・市民意識の3つが強み

  • 反面、電子廃棄物の増加・人手不足など課題も

  • AI化や都市鉱山技術の進化が“次の段階”を支える

キバセンとしては、
基板を買取し基板回収の入口として、今後も循環型社会の一角を担う役割を担っていきます。