金属盗対策法とは?特定金属くず買受業の届出と基板・電子部品買取の関係
2026.10.21

2026年6月1日、「盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律(通称:金属盗対策法)」が全面施行されました。
この法律により、銅を主体とする一定の金属くずを買い受ける事業者には、届出や本人確認、取引記録の作成・保存などが義務付けられています。
では、パソコンの基板やCPU、金メッキされた電子部品なども、同じ法律の対象になるのでしょうか。
今回は、金属盗対策法の概要と、特定金属くず買受業の届出、古物商許可との違い、基板・電子部品買取との関係について、法人担当者様向けに解説します。
金属盗対策法とは?2026年6月1日に全面施行
金属盗対策法は、太陽光発電施設の銅線ケーブルなどを狙った金属盗の増加を背景に制定された法律です。
金属には資源としての価値があり、盗まれた金属製品がスクラップとして売却される問題が発生しています。
こうした盗難品の流通を防止するため、一定の金属くずを買い受ける事業者に、取引相手の確認や記録管理などを求める制度が設けられました。
法律は2025年6月に成立・公布され、金属切断工具に関する規制などが2025年9月1日に先行施行されました。その後、特定金属くず買受業に関する制度が2026年6月1日に施行され、全面施行となりました。
特定金属くずとは?対象となるのは主に銅
2026年10月時点で、金属盗対策法において特定金属として指定されているのは銅です。
ただし、銅が含まれている製品や電子部品が、すべて特定金属くずになるわけではありません。
石川県警察の説明では、特定金属くずは、重量または価格の2分の1以上が銅で構成されている金属くずとされています。
特定金属くずの判断で重要なこと
① 銅の割合
重量または価格の50%以上が銅で構成されているか。
② 物品の状態
本来の用途で使用できない金属くずに該当するか。
③ 除外規定
古物営業法上の古物や、製造過程で生じたものなど、法律で除外されるものに該当しないか。
例えば、切断された銅線ケーブルや、使用できない状態の銅を多く含む金属製品などは、特定金属くずに該当する場合があります。
また、真鍮や青銅といった銅合金についても、銅の割合や物品の状態によって対象になる可能性があります。
特定金属くず買受業にはどのような義務がある?
法律上の特定金属くずを営業として買い受ける事業者には、主に次のような義務があります。
| 項目 | 主な内容 |
|---|---|
| 営業の届出 | 営業所ごとに都道府県公安委員会へ届出 |
| 本人確認 | 買受けの相手方について法令に基づく確認を実施 |
| 取引記録 | 買受け内容などを記録し、所定の期間保存 |
| 盗品の疑いへの対応 | 盗難品と疑われる場合、警察官へ申告 |
これらは、盗難金属の不正な換金を防ぐための仕組みです。
なお、特定金属くず買受業の届出と、古物商許可は異なる制度です。古物商許可を持っている事業者であっても、別途特定金属くずを買い受ける営業を行う場合には、届出が必要となることがあります。
古物と特定金属くずは何が違う?
金属盗対策法では、古物営業法上の古物に該当するものは、特定金属くずの定義から除かれています。
そのため、銅を含む製品であっても、本来の用途で使用可能な中古品と、使用できない状態になった金属くずでは、法律上の扱いが異なる場合があります。
例えば、機器から取り外しただけで正常に使用できる部品と、切断・破砕などによって元の用途で使用できなくなった部品では、判断が変わる可能性があります。
ただし、元の形状が残っていることや、古物商許可を取得していることだけで、すべての品目が古物として扱われるわけではありません。実際の状態や法令上の定義に基づく判断が必要です。
基板・電子部品の買取と金属盗対策法の関係
パソコンやサーバー、通信機器などに使用される電子基板には、金・銀・パラジウム・銅などの有価金属が含まれています。
これらは資源としての価値を持ちますが、銅を含んでいるというだけで、すべての電子基板が特定金属くずに該当するわけではありません。
例えば、電子基板は樹脂やガラス繊維、各種電子部品、複数の金属などから構成されています。
また、CPUやIC、コネクターなども、それぞれ材質や構造が異なります。そのため、品目の名称だけで一律に判断することはできません。
金メッキ部品やメタルコネクターの場合
金メッキされたコネクターや電子部品には、銅や真鍮などを母材として使用しているものがあります。
こうした部品は、金の資源価値を中心に評価される場合がありますが、金の価格を基準に買取を行っているからといって、法律上の特定金属くずから自動的に除外されるわけではありません。
重要なのは、部品全体の金属構成や、銅の重量・価格割合、買取時点での状態です。
また、資源回収を目的として買い取る場合であっても、そのことだけで金属くずと判断されるわけではありません。実際の品目や取引内容に応じた確認が必要になります。
キバセンの取扱品目と買取の考え方
基板買取専門サイト-キバセン-では、古物商許可を取得した運営会社のもとで、電子基板やパソコン、CPU、ICなどの買取を行っています。
キバセンの主な買取対象は、使用済みの電子機器や、電子機器から取り外された基板・電子部品などです。
メタルコネクターや金メッキ部品についても、基本的には使用済み機器から取り外された、元の形状を保った部品を取り扱っています。
これらの部品の価値を評価する際には、主に金の資源価値が重要な要素になります。
買取後は中古部品として再販売するのではなく、資源回収・製錬向けに販売し、金・銀・パラジウム・銅などの有価金属の再資源化につなげています。
一方、銅線・ケーブル類や銅単体のスクラップについては、キバセンの買取対象としていません。
キバセンの主な買取対象
- SSランク〜Eランクの電子基板
- パソコン・マザーボード・メモリ
- CPU・ICなどの電子部品
- 金メッキ部品・コネクター類
- ルーター・ハブなどの通信機器
このように、キバセンが専門とする電子基板・電子部品の取引は、一般的な銅スクラップの買受けとは取扱品目や評価方法が異なります。
ただし、法律上の届出要否は、事業者が扱う個々の品目や状態などによって判断されます。銅を含む金属部品がある場合も含め、関係法令に基づく適切な取扱いが重要です。
法人が金属くずや電子部品を売却する際の注意点
1. 売却する品目に合った専門業者を選ぶ
工場や事業所の設備更新では、銅線・ケーブル類、鉄・アルミなどの金属スクラップ、電子基板、パソコン、電子部品などが同時に発生することがあります。
それぞれの品目には異なる評価方法があるため、銅線やケーブル類は専門のスクラップ業者へ、電子基板やCPU・ICなどは基板買取専門業者へ相談する方法があります。
2. 買取業者の取扱品目と法令対応を確認する
法人が金属くずを売却する際は、依頼先がどのような品目を扱っているか確認しておくことが大切です。
特定金属くず買受業に該当する取引であれば、必要な届出が行われているかなども確認の対象となります。
3. 品目や数量を事前に整理する
売却予定の品目や数量を把握しておくと、買取条件や回収方法の相談がスムーズです。
ただし、パソコンや通信機器などは機器の状態で買取できる場合もあるため、必ずしも細かく解体する必要はありません。
金属盗対策法の届出について確認したい場合
特定金属くず買受業の届出は、営業所の所在地を管轄する警察署を通じて行います。
石川県警察では、特定金属くずの定義や届出の手続き、必要書類などを公式サイトで案内しています。
特に、古物との区別や、電子部品など複数素材で構成される物品については、個別の状態や取引内容に応じた判断が必要です。
※本記事は2026年10月時点の公的資料をもとにした一般的な情報提供です。個別の品目や事業者について、特定金属くず買受業の届出が必要かどうかを確定するものではありません。詳しくは管轄警察署または専門家へご確認ください。
まとめ|金属くずと電子部品の違いを理解することが大切
2026年6月1日に全面施行された金属盗対策法では、銅を主体とする一定の金属くずを買い受ける事業者に、届出や本人確認、取引記録の作成・保存などが義務付けられました。
一方、電子基板やCPU・IC、金メッキ部品などは、銅以外にもさまざまな金属や素材を含む品目です。
そのため、銅を含むという理由だけで一律に特定金属くずと判断することはできず、部品の状態や材質、古物への該当性などを踏まえた確認が必要になります。
法人が設備更新や機器の入れ替えで不要品を売却する際には、それぞれの品目に適した買取業者を選ぶことが大切です。基板やCPU・ICなどの電子部品については、基板買取専門サイト-キバセン-へお気軽にご相談ください。
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